真珠用語集 【か行】

  • 貝殻(かいがら)
  • shell
  • 貝体の外部を覆っています。アコヤガイ等の場合、一番外の層は薄い有機質の殻皮層で、その下に稜柱層が発達しており、内層の真珠層は貝の内臓に接触しています。
  • 貝掃除(かいそうじ)
  • shell cleaning
  • ツリガネムシ、ケツボカイメン、カサネカンザシ、サラサフジツボ、ユウレイボヤ、スエヒロクダコケムシ…これらアコヤガイの貝殻に付着する動物たちは、貝殻の開閉の邪魔をするだけでなく、肝心の餌であるプランクトンまで奪ってしまうため、定期的に貝殻の掃除をしなければなりません。
  • 外套膜(がいとうまく)
  • mantle lobe
  • 貝の体を覆っている薄い膜。貝と言う動物がすべて持っている一種の臓器であり、この外套膜が貝殻を作ります。近代になって動物学の発達により、この薄い膜が海水からカルシウムを濃縮して固い貝殻を作る役目を担っていることが発見されました。
  • 貝パール(かいパール)
  • shell pearl
  • 貝養殖に使う核の上に塗料を塗布した模造真珠。「人工真珠」の表示が義務付けられています。昭和40年代に現れ、核の縞模様が透けて見えることから本物と間違える事件が起き、公正取引委員会が模造真珠には販売時にその旨を表示するように勧告が出されました。
  • ガイヨパール
  • Gayo pearl
  • タイラギカイから産出される天然真珠。
  • 貝類(かいるい)
  • shellfish
  • 軟体動物の大部分を占め、世界中の種類は約10万といわれ、日本産貝類は約4500種が知られており、世界有数の貝の産地です。
  • 火炎構造(かえんこうぞう)
  • flame structure
  • コンクパールの表面に現れている独特の構造で、燃えている炎のように見えることから名付けられました。
  • (かく)
  • nucleus
  • 養殖真珠の芯にあたり、貝の手術時にピースと共に貝体内へ人為的に挿入します。淡水産のドブ貝の貝殻から作ります。
  • カクテル・ネックレス
  • cocktail necklace
  • 真珠の連で、真珠と真珠の間に貴金属や他の宝石を組み込んだネックレス。
  • 片孔(かたあな)
  • half drilled
  • リングなどの細工品に使用するために真珠の片方だけ孔をあけたものを指します。きずの位置を確認して、きずが隠れるように珠の3分の2まで孔をあけます。
  • 加法混色(かほうこんしょく)
  • additive mixture
  • 赤、緑、青から成る光の3原色の混合による色の表現法で、色を重ねるごとに明るくなり、三原色の均一な混合は白になります。テリの良い真珠の干渉色はピンクとグリーンが共存し、これらの色光が重なっていますので明度は高くなり、一種の透明感として認識されます。
  • カラスガイ
  • 学名 Cristariaplicata
  • 湖沼にすむ大型の黒いイシガイ科の二枚貝。分布は中国を中心にロシア、朝鮮半島、日本に及ぶ。殻の長さは20センチ。中国で淡水養殖の母貝として使用されましたが、品質が劣ったため、1990年代ヒレイケチョウガイに代わられました。
    • カルチャード・パール→養殖真珠
    • cultured pearl

  • カワシンジュガイ
  • 学名 Margaritifera laevis
  • 北海道から本州の里山の河川で見られる大型の淡水産二枚貝。貝殻内面は美しい真珠光沢をもつ。 多くの種が環境省や各自治体のレッドリストに記載される状況となっています。
  • 干渉(かんしょう)
  • interference
  • 光という波が真珠層にあたり、表面で反射する波と、中に入ってから反射して出てくる波が合流しますが、そこに干渉が起こります。真珠層に見られるピンクやグリーンは、この干渉から生み出された色です。
  • 干渉色(かんしょうしょく)
  • interference color
  • 微細な、電子顕微鏡でしか見ることのできない構造に起因する光が作り出す色。熱帯魚のネオンテトラの青、南米に棲息するモルフォ蝶の青、コガネムシの緑等、どれもが鮮やかに光り輝く色であるのがこの干渉色の特徴。真珠のピンクも、構造に起因する光が作り出す色であり、干渉色の代表的存在です。
  • 含浸(がんしん)
  • iimmpregnation
  • 樹脂等の補強材を真珠内部の空隙(くうげき)に入れることを言います。これによって真珠層の内部の強化を図るのが真珠科学研究所で行っている「マイクロ・パーマネント」です。
  • キズ
  • flaw
  • 真珠の生成過程の中でできてしまうものを指します。固いものにぶつけてできたもののことではなく、大小、凹凸等形態は様々であり、貝の衰弱に起因した一種の分泌異常によりできます。
  • 機能クロス(きのうクロス)
  • function cross
  • 「真珠の手入れは簡単です。とにかく拭いてから仕舞ってください」と言っても厳密には、化粧品や人のアブラ等の汚れを一瞬で拭き取るには、それなりの機能を備えたクロスを用いた方が良い、というわけで真珠科学研究所は「真珠てりクロス」、「真珠クリーニングクロス」、また、荒れてしまった表面を取り去るための「真珠リフレッシュクロス」などの商品を開発しています。手入れの重要性を商品で啓蒙しています。
  • 機能ケース(きのうケース)
  • function case
  • 真珠に密着して極細繊維で汚れを吸収し、さらにつやが出る等の機能を持ったケースです。真珠科学研究所が販売している「パールキーパー」「珠手箱」などの機能ケースがあります。これらの機能ケースには湿度調整剤が入っていますので、このケースの中が湿気てくると湿度調製剤「パールソーブ」が空気中の水分を吸収し、逆に乾燥してくると水分を空気中に放出し、真珠に最適な湿度を保つ機能を持たせています。
  • 金色(きんしょく)
  • gold
  • アコヤガイから採れる濃い黄色の珠のこと。貝が活力があり、元気な時にできると考えられています。
  • クオホッグパール
  • Quahog pearl
  • ホンピノスガイから産出される天然真珠。
  • クラスプ
  • clasp
  • ネックレスを連結するために使用される金具。
  • グラデュエーション
  • graduation
  • 真珠のネックレスを組む際、中央に大きい珠を配置し、左右対称で徐々に小さい珠で組んでいくこと。
  • クラムパール
  • Clam pearl
  • ハマグリから産出される天然真珠。
  • クリーニング&エステ
  • cleaning&esthetic
  • 真珠科学研究所が提唱している真珠の手入れ法。真珠の外側をきれいにするのがクリーニングでパールリフレッシャー等の機器を使用し、真珠の内側を補強し美しい状態を持続させるのがエステで、マイクロ・パーマネントで耐久処理します。
  • グリーン味(グリーンみ)
  • 赤味と同じ現象で生まれる色合い。
  • グレーディング
  • grading
  • 品質評価のこと。PSLパールグレーディングシステム(真珠科学研究所)では、品質評価の構成要素を①テリ②キズ③面④かたち⑤まきの5項目としています。
  • クロ貝(くろがい)
  • すでに手術され核とピースが入っている貝。玄貝とも言います。
  • クロチョウガイ(黒蝶貝)
  • black-lipped pearl oyster|学名 Pinctada margaritifera
  • インド洋、太平洋など広い海域に生息し、日本では紀伊半島以南、特に沖縄の石垣島は有名。大型種で、水深10数メートル以上の水通しの良い珊瑚礁や岩礁で着生します。
  • クロチョウ干渉色(くろちょうかんしょうしょく)
  • ササンゴ礁の至宝、クロチョウ真珠。その最高峰がピーコックグリーン。このグリーンも光り輝く干渉色です。注意深く観察するとホワイト系アコヤ真珠はピンクの干渉色が珠の中心部から滲み出てくるのに対し、クロチョウ真珠のピーコックグリーンは珠の周縁部に滲みでます。
  • クロチョウ吸収
  • クロチョウガイおよびクロチョウ真珠の有色真珠層は、分光光度計で計測しますと、400nmと500nm、700nmに固有の吸収があり、これを「クロチョウ吸収」と呼んでいます。1970年代に真珠科学研究所の小松博が発見しました。
  • ケシ
  • 芥子の種子のように小さな真珠の総称。その生成は複雑であり、偶然によるもの、“ピース”が核から離脱してできるもの等があります。天然真珠の範ちゅうに入る「シード」との判別は不能。
  • 顕微鏡(けんびきょう)
  • microscope
  • 真珠鑑別にも顕微鏡は必須の機器です。真珠用には落射型光学顕微鏡、あるいは金属型光学顕微鏡と言われるタイプが使われます。真珠の表面を100倍に拡大すると固有の結晶成長模様が見えます。この模様は人間の指紋と似ており、一個一個の真珠はすべて違います。
  • 減法混色(げんぽうこんしょく)
  • subtractive mixture
  • 塗料や染料の三原色であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)を等量で混ぜ合わせると黒色になります。クロチョウ真珠の黒さは、黒い色素によるものではなく、赤褐色・緑褐色・黄褐色の三つの含有色素の配合によると言われています。
  • 硬度(こうど)
  • hardness
  • 宝石の硬さを表すのによく使われるのがモース硬度。滑石が1、石膏が2、方解石が3で鋼玉が9、最も硬いダイヤモンドが10です。真珠は主成分が霰石であるから方解石に近く3.5~4.5と言われています。この3.5~4.5という数字の裏には二つの特性が隠れています。ひとつは真珠はダイヤモンド、ルビー、サファイアなどと較べると極めて柔らかいという事です。両者がもろにぶつかったら疵がつくのは真珠だけです。いまひとつ、真珠層を構成する結晶層やたんぱく質の状況如何で硬さは変わってきます。テリの強弱、処理の有無で±30%位の差があります。モース硬度の他には、ビッカース硬度などがあります。
  • ゴールドリップ
  • goldlip
  • 南洋真珠が採れるシロチョウガイのうち貝殻の内側、すなわち真珠光沢を有している側、その光沢部の縁の部分が黄色い貝のことを呼びます。インドネシア、フィリピン、ミャンマーの海に生息するものの大半がこのゴールドリップ。この貝をピース貝として使うとゴールド系の珠が出来ます。
  • 越物(こしもの)
  • 1年以上養殖した真珠を言います。年を越すことから名付けられました。これに対し1年以内(約10か月)の養殖のものを当年物と言います。
  • 湖水真珠(こすいしんじゅ)
  • lake pearl
  • 淡水真珠をこう呼ぶこともあります。→淡水真珠
  • 小珠(こだま)
  • smaller sized pearl
  • 直径5.0ミリから6.0ミリ未満のアコヤ真珠。
  • コンクパール
  • conch “pearl”
  • ピンク貝(strombus gigas)から採れる天然真珠。構造から言うと真珠ではなく、カンマ付きで表記されますが、パールなる名称はその美しさとヨーロッパの数千年の宝飾の歴史の中で市民権を得ているからであり、国際的に認められた唯一の例外品。炎のような表面が美しい。
  • コンバーチブル・ネックレス
  • convertible necklace
  • ネックレスとブレスレットをつなげて使うと長いネックレスになるもの。分けて使用することも可能。