- 赤味(あかみ)
- tinge of red
- 高品質のアコヤ真珠には必ずこの色合いが伴いますが、真珠だけが持つ光の干渉現象によって生まれ、着色等の人為処理で生み出すことは不可能。ピンクからレッド系統の色合いが珠の中央部周辺に浮き出します。
- アコヤガイ
- Akoya pearl oyster|学名 Pinctada fucata
- インド洋、太平洋、オーストラリアから地中海など、熱帯・亜熱帯から温帯域まで広く分布。日本の太平洋沿岸では房総半島以南、日本海側は能登半島以南に生息、アコヤ真珠を産出します。貝殻の大きさは7~8センチ、厚さは3センチ程度の二枚貝。1905年、御木本幸吉等によりアコヤガイを使って真円真珠の養殖に成功、それ故シンジュガイとも呼ばれます。アコヤの由来は古語の「吾が子や」からきているという説もあり、この貝が作る天然真珠の愛おしさを自分の子供への愛おしさと重ね合わせた歌が万葉集の山上憶良の歌に出てきます。
- アコヤ真珠
- Akoya pearl
- アコヤガイ産出の真珠。ピーク時の1960年代には20数県で養殖が行われていましたが、現在は三重、愛媛、長崎、熊本、大分の5県が中心となっています。
- 英虞湾(あごわん)
- Ago bay
- 三重県志摩半島南部の湾。リアス式海岸として有名であり、奈良時代からアコヤガイから採れる真珠を出荷していました。明治時代半ばに真円真珠の養殖技術が確立されると、真珠養殖発祥の地としても知られるようになり、昭和初期には「真珠湾」とも呼ばれました。
- 厚まき(あつまき)
- thick nacre
- 真珠科学研究所の「PSLパールグレーディングシステム」によりますと、真珠層のまきの測定は「レントゲン透視像による測定とする」とされており、厚まきは、アコヤ真珠は0.4ミリ以上、白蝶真珠と黒蝶真珠は1.0ミリ以上と規定されています。
- 孔あけ(あなあけ)
- drilling
- 真珠に孔をあけること。一般に2種類あり、指輪、ブローチ、ペンダント用などに半分まであけることを「片孔」、ネックレス用の貫通孔を「両孔」と呼び、専用の孔あけ機であけます。
- アバロン・パール
- abalone pearl
- アワビから採れる天然真珠の呼称。古代からよく知られており、それだけこの貝は真珠を作りやすい体質なのかもしれません。鮮やかな緑色や淡い緑色を呈します。東大寺三月堂の不空覇索観音の宝冠に天平時代のこの真珠が輝いています。
- アメリカン・パール
- American pearl
- 北アメリカ、ミシシッピー川等に生息するドブガイ等から産出される淡水真珠を言います。
- アワビ
- abalone
- 世界中の海に生息。アワビの貝殻は美しく、ヨーロッパでは古来その美しさを讃え、ヴィーナスの耳と呼んでいます。巻き貝であり、頻度高く天然真珠を産出します。
- イケチョウガイ(池蝶貝)
- “Ikecho”mussel|学名 Hyriopsis schlegeli
- 日本の琵琶湖とその近く、淀川水系の一部にのみ生息する中型の貝で、淡水真珠を産出します。1946年に藤田昌世氏らが養殖に成功しましたが、その方法は、核を入れずに貝の外套膜の中に外套膜小片を挿入するものでした。外套膜の中に真珠袋を作り、真珠を作らせるので真球状のものはほとんど出来ません。藤田氏は御木本翁等と共に「真円真珠」を発明したスタッフの一人です。
- 糸替え(いとかえ)
- re-stringing
- 真珠のネックレスにおいて、新しい糸に差し替えること。長期の使用により、ネックレスの糸はゆるみ、珠と珠の間に間隙ができた場合、新しい糸に替える必要があります。
- イミテーションパール → 模造真珠
- imitation pearl
- インチ
- inch
- ヤード・ポンド法による長さの単位。1インチは、1フィート(304.8ミリ)の12分の1、約25.4ミリ。ネックレスの長さは20世紀後半までは、このインチが生きていた世界。連は形態によってグラデュエーションとユニフォームに大別。前者は16~18インチ。後者は14インチ以上でした。
- ウィング・パール
- Wing pearl
- 淡水貝の蝶番付近にできる鳥の翼状の真珠を言います。
- うすまき
- thin nacre
- うすまき珠のこと。真珠業界では、はがきの厚さ(0.25ミリ)以下がうすまきと言われています。強い光で核が見えるか見えないかのボーダーラインは0.3ミリであり、言われている根拠です。単に核が透けて見えるということでなく、うすまきだと、?れる、変色する、褪色するという品質変化が起きます。
- エンドスコープ
- endoscope
- 孔あけしてある天然真珠と養殖真珠の構造上の特性からその違いを見極める鑑別用機器として、1920年代にヨーロッパで開発されました。現在では、核を入れない養殖真珠もあり、判別に用いることはできません。
- オイスターパール
- Oyster pearl
- カキから産出される天然真珠。
- 大珠(おおだま)
- bigger sized pearl
- アコヤ真珠の直径8.0ミリ以上の珠。これ以下は6.0以上8.0ミリ未満を中珠、5.0以上6.0ミリ未満を小珠、5.0ミリ未満を厘珠(りんだま)、3.0ミリ未満を細厘珠(さいりんだま)と呼びます。
- オーバル
- oval
- 幾何学では卵形や長円、あるいは楕円に似た曲線のことを言い、楕円形の真珠を指します。
- オーロラビューアー
- Aurora-viewer
- 反射と透過の干渉色が見られる専用の装置。真珠を装置に固定し見た場合、より多くの色が鮮やかに真珠の半球に出ていれば「テリ」の良い真珠と判断できます。
- オスメニアパール
- osumenia pearl
- 半球状の真珠光沢を放つ貝殻加工製品。オウムガイ(Nautilus Pompiluis)の貝殻彎曲部を切り出し、貝殻外殻部を除去して、内殻部の真珠層を露出させて作ります。
- オビエド・パール
- Oviedo pearl
- 1520年頃パナマで、スペインの歴史家・オビエドにより買い取られた26ctの真珠。
- オペラ
- opera
- チョーカーの2倍、約80センチの長さのネックレス。
- 尾張真珠(おわりしんじゅ)
- Owari pearl
- アサリなどから採れた珠の総称。『本草綱目』に曰く「…色濁白にして光彩なし、あるいは黒色を帯るものあり、アサリ、ハマグリ、アカガイ等の珠に…」とあります。貝殻構造が真珠層ではないため、真珠光沢がありません。
- オンス
- ounce
- ヤード・ポンド法の質量単位。1オンスは1ポンドの16分の1、28.35g。天然真珠の時代、真珠の売買の単位として用いられていました。