真珠研究の原則を願って

第176回

2014年9月に出版された『真珠研究の最前線―高品質真珠生産への展望』を読みました。内容は2013年の日本水産学会での同種テーマによるシンポジウムが基礎になっていて、Ⅰ部が生産技術の開発、Ⅱ部が問題点と解決方向、Ⅲ部が遺伝子情報による革新の展望、との諸論文から成っています。

100年以上の真珠養殖の歴史を持つわが国だけに、現場に密着した研究から、ゲノム情報をどう真珠生産に活かすかといった未来的研究まで広大な研究内容が展望できました。

一方、真珠販売の最前線にいる私たちにとって、養殖真珠のグローバル化、無計画化に毎日のように直面しているだけに、①長・短研究計画の日本としてのまとまりと、②品質の中軸にテリを据えることを原則的に履行してもらいたいと思う次第です