第157回
前回(No156)で、真珠の球体という形態から発生する、平板とは異なる光学現象について触れました。特に反射の干渉色が光源像の周囲に、真珠と光源の角度に応じた色として現れることを述べました。透過の干渉色は真珠の全面に現れているのですが、反射の干渉色は部分的にしか現れていないということです。この「部分的」を「全面的」にする新たな課題の出現です。解決は、偶然も味方になって短期間で完了しました。
遠くに光源があるから、真珠と光源との間に入射角度が生じるのです。光源をもっと引き寄せれば良いのです。その最たることは光源に真珠を接触させれば良いのです。蛍光灯に真珠を接すれば、真珠の半球全体に蛍光灯の像が映ります。ということは真珠に0度から90度までの全入射角の反射干渉色が半球全体に見えることになります。残りの半球全体には、透過の干渉色が現れます。2つの色が補色関係になるのは光学の法則通りです。