オーシャンブルー

第150回

私どもが発行している鑑別鑑定書の中で、「オーロラオーシャンブルー」は、ブルー系黒蝶真珠のテリ最強の特別呼称です。

世界の至る所で養殖真珠が出来る時代かもしれませんが、ブルー系については大別すれば、アコヤ真珠とクロチョウ真珠の2種に分かれます。ただ原理原則は全く逆です。前者が白い真珠層の間に黒い粒子(ござ)を敷いているのに対し、後者は黒い真珠層だけを敷いているのです。前者はサンゴ礁、後者はサンゴ礁の向こう側、南太平洋の黒潮(くろしお)を指しています。何かの加減で黒い粒子が消えて白い真珠層だけになってしまうのは、ブルー系アコヤ真珠層が白濁する失敗に似ています。その点後者の黒い真珠層は、黒潮の波が燃やし続ける炎のスペクトルそれぞれの美しさがその瞬間に皆さんの目に留まるだけの現象です。

南太平洋の海の景色は、広い海外線と、沖合でそれを仕切る白いサンゴ礁だけなのです。