茶金

第146回

私どもが発行している鑑別鑑定書の中で、「オーロラ茶金」は、ゴールド系白蝶真珠の最高品質に対する特別呼称です。

「茶金」という言葉を辞書で調べると「茶巾」しかありません。しかし「金茶」はあります。「あざやかな黄赤」を指します。「黒い子猫の金茶の目」(北原白秋『思ひ出』より)。真珠業界特有の、欧米人が発音しやすいための金茶をひっくり返した造語です。以前はアコヤ真珠を含めて黄色系の真珠は低品質品として扱われていました。しかしその当時でさえ「茶金」は一種の例外品として、世界中のバイヤーが、年一回開かれるミャンマーのオークションに集まり高値で競い合ったそうです。まさに“幻の真珠”なのです。

光が作る干渉色も、色相、明度、彩度の三次元で表わします。「茶金」はこの彩度が抜群に高いということですから、鮮やかな干渉色、すなわち抜群のテリだったということです。