彩凛珠(さいりんだま)

第143回

私どもが発行している鑑別鑑定書の中で、「オーロラ彩凛珠」は、ホワイト系アコヤ真珠の6ミリ未満のサイズに対する最高品質の特別呼称です。

この呼称を決めた発端から話します。先ず2000年に発表した当社のグレーディング・システムでは、「オーロラ花珠」は6ミリ以上のアコヤ真珠を対象にしました。それ未満は淡水真珠に席巻されてしまったと思ったからです。ところが僅少ですが3、4ミリのすばらしいアコヤ真珠のネックレスがあったのです。

ネーミングを考える中で先ず浮かんだのは「細厘珠」です。かつての分厘(ぶりん)の時代、直径3ミリ未満の珠をこう呼んでいたのです。100粒以上が連なるそのネックレスは見事です。テリが放つ輝きが、首筋に沿って一本の光のラインを描いています。凛と輝く、光が演じる色彩の帯とも形容できるのです。