真多麻(まだま)

第140回

私どもが発行している鑑別鑑定書の中で、最高品質マークを添付する一連のシリーズがあります。「オーロラ真多麻」は、ブルー系アコヤ真珠の最高品質に対する特別呼称です。

「真多麻」は、万葉集で詠われる真珠の呼び名のひとつに因みました。海から揚がったままの、何ら人為的処置を施していないブルー系真珠にふさわしいと考えたからです。

この真珠は、真珠内部に有機物などの“異物”が巻き込まれるためにブルー色が発現します。当然、“異物”起因のキズや変形が起きる筈です。にもかかわらず真円のかたちを保ち、キズが僅少と言うのは、稀有の存在です。さらにテリ最強が綾取る虹彩色の鮮やかさが見事です。この「鮮やかさ」もこの真珠の特長です。というのは光の干渉(厳密には反射の干渉)では、真珠全体が黒っぽいと、鮮やかさが増大する性質があります。これは昼間も存在する天空の星が、夜になると見えてくるのと同じような原理です。