ムーンレインボー

第138回

私どもが発行している鑑別鑑定書の中で、テリ最強を強調する一連のシリーズがあります。「ムーンレインボー」は、ゴールド系白蝶真珠のそれに対する呼称です。

ムーンレインボーは、“ナイトレインボー”“月光虹”“月虹(げっこう)”とも呼ばれ、夜空に虹の橋が架かる非常に珍しい現象です。月の光は太陽のそれの45万分の1しかないのです。にもかかわらず、満月であること、水滴が空に充満していること等々いろいろな条件が全部揃うと虹が見られるのです。イグアスの滝やハワイのカウアイ島での観測が世界的に知られていますが、今年の1月沖縄の石垣島で撮影され、新聞紙上で大きく報じられました。

白蝶貝の“ゴールドリップ系”を使えば、黄色色素による黄色い珠の出現は比較的容易です。しかしそれは単なる「真珠」に過ぎません。いまひとつの条件「テリ最強」が加わった時、輝きが現れ、虹が現れ、「真珠」は「ムーンレインボー」に変身するのです。