オーロラ ボレアリス(ナチュラル)

第136回

アコヤ真珠の中でも、ブルー系のバロック形状に対するテリ最強の呼称が「オーロラ ボレアリス(ナチュラル)」です。オーロラ ボレアリスとは、俗に言う“オーロラ”の正式名です。極北の、酷寒の冬の夜、天空に現れる巨大な光のカーテンであるオーロラ ボレアリスは青、緑から黄、赤まで七色の縞模様を織り成して突然現れ、突然消えていくと言われます。

ブルーバロック珠も、転がす度に緑や青が現れ、あるいは赤や橙が現れるといった具合に色彩変転が著しく、この小さな球体の中に“オーロラ”が詰まっているのではと思ってしまいます。この秘密を解く鍵は2つです。ひとつは「ブルー系」にあります。灰から黒に近いその色は、夜空の星のように虹彩をより鮮やかにします。いまひとつは「バロック」にあります。表面の複雑な凹凸が、入射光の角度を極めて複雑にしているのです。