スターダスト

第135回

私どもが発行している鑑別鑑定書の中で、テリ最強を強調する一連のシリーズがあります。「スターダスト」は、シルバー系白蝶真珠のバロック珠に対する呼称です。この真珠が放つ光彩は、宇宙を旅する小惑星を連想させます。

小惑星の宇宙の旅のフィナーレは、数十年にもわたる漆黒の旅の果てに、太陽に接近した時に見せる一瞬の、その個性的なかたち全体から放つ光芒にあるのです。

この真珠のテリは、他の真珠のそれとはひと味違う“微妙な違い”があります。先ず、目を射るような鋭い輝きではありません。「燻(いぶ)し銀」のような、真珠層の遥かな深みから滲み出るような柔らかさです。さらに、光が作るピンクやグリーンの虹彩は随所に現れていますが、同時に球面のいたるところから、雲の縁から湧き出る光芒のように、光の筋が射し込んでくるのです。この現象をどう説明するのか、毎日考えている今日この頃です。