風聞に惑わされず…

第129回

「…若い2人の日本人が、大規模な実験による確証もなく、同時期に、同じような内容の特許を申請しているのは不自然である…」 オーストラリアのデニス・ジョージ氏が1990年代に発表した論文『広く信じられている日本の神話を暴く』の一節です。最近オーストラリアを主舞台にひとつの主張が広まっています。西川藤吉氏、見瀬辰平氏の真円真珠特許以前に、サビール・ケントという学者がオーストラリアで発明していたという主張です。2人の日本人はたまたまそれを知り、日本で特許申請したというのです。 貝は外套膜という一種の臓器で貝殻を作ります。その外套膜の一部を切り取り、体内に移植します。その切片の一部の細胞が増殖し始め、最終的に真珠袋という真珠を作る臓器になります。一種の臓器移植・再生医療がこの特許の内容です。これは驚愕すべき発明です。風聞に惑わされず、「2人のどちらが真の発明者なのか」こそ、追及すべき課題です。