連相

第84回

連相(れんそう),真珠業界用語です。ネックレスのことを「連」と言い、「相」は、それを構成する真珠の色の揃い状態を指します。かつて私も以下のように説明したことがあります。 「アコヤ真珠のほとんどはネックレスにされて海外に輸出されます。ところが真珠は厳密に見ると一個一個みんな色が違いますから、連想を良くするために薄くピンクの色付けをします。これを調色と呼んでいます…」 先日ある催しで、浜揚げ珠をそのままネックレスに組んで着用することを試みました。海から揚がったばかりですから、イエローからブルー、あるいはホワイトなど構成する真珠の色はまちまちです。色揃いを連想というなら悪いもいいところです。ところが違和感がないのです。肌にぴたっと合うのです。真珠の持つもうひとつの色、光の干渉色の揃いが大切なのだということに気がつきました。真の連相はテリの揃いなのです。