細胞の挙動を推定する

第108回

真珠は「貝の体」の中で作られます。もう少し厳密に言いますと、体の中の「真珠袋」という臓器で作られます。更に厳密化しますと、真珠袋を構成する「細胞」によって作られるのです。さてこの細胞ですが、数ミクロンという目に見えないサイズですし、生きている体の中でいろいろな働きをしているので観察は非常に難しいということになります。 ここにテリの弱い、よく見ると表面が無数の微小な皺(しわ)からできている真珠があります。なぜこの皺ができたのか、原因は細胞なのですが、どのような働きでできたのかは推定するしかありません。①緊急手段として細胞が真珠からカルシウムを摂取した痕跡、②管状構造を作る細胞の仕業(しわざ)(第70回参照)、③細胞の変質による異常分泌による、の3つです。 生物の体は細胞でできており、多様な細胞が協力し合って生命を支えています。さらに細胞は常に変化・変質もしますから、この皺は自然の複雑さの象徴とも言えるのです。