真円真珠養殖法発明100周年

第78回

1907年(明治40年)、丁度今年で100年(2007年)になりますが真円真珠の養殖法が発明されました。この発明は世界を驚愕させました。その驚愕の深さと広がりは「ミキモト」の名前を一代で世界の人々の脳裏に刻み込んでしまったことからも窺い知ることができます。 驚愕は別にしてこの発明の中身は大変なものです。一種の臓器移植をこの時代に考えたのです。貝は外套膜という一種の臓器で貝殻を作ります。この臓器の一部を体内に移植しますと、何と体内で貝殻を作り始めます。この体内貝殻が真珠なのです。今日でもこの体内貝殻が出来る詳しいメカニズムは未だ正確には解明されていないほど凄い発明です。 そのメカニズムの深遠さは別にしてその方法は比較的簡単です。手法を学べば誰でも出来るのです。だから今世界の各地で現地の人々の手で真珠は大量に産出されているのです。オリジネーター日本は“だからこそ”メカニズム解明に傾注すべきだと思いますが…。