目くらましの道

第81回

『…「もしかすると、われわれは間違った方向に行っているかもしれない。二人の接点を探しているという点です。まったく別の根拠かもしれない。別の方向を探せば犯人がみつかるかもしれない」「いや、殺人は同じ人間によっておこなわれた」ヒューゴ・サンディーンが言った。「捜査はいっしょにするほうがいい。そうしないと、目くらましの道にそれるきけんがある」』ヘニング・マンケル『目くらましの道』創元推理文庫より 連続殺人を追う警部が捜査にいき詰まり、定年退職した先輩刑事を訪ねた場面です。   この2年、ある実験を海の現場で行っています。一昨年も昨年も失敗しました。きちっと準備した実験なのに成果は全くあがりません。成果というより何の変化も貝に起きないのです。考え抜いたこの切り口が間違っているのか、違った切り口を考えねばならないのか。迷っている矢先にこの本と出会いました。目くらましの道に入ってはいけないと自戒しました。