珊瑚と真珠

第105回

海を代表する宝飾品と言えば真珠と珊瑚が挙げられます。ドイツのヴユルテンブルグの旧石器時代(約2万5千年前)の遺跡から珊瑚が発見されていますから、人類の、宝飾品としての珊瑚の歴史も確固たるものです。その赤い色は、様々な災難や病気から人々を守る象徴として、崇め讃えられてきたのです。 真珠もその鋭い輝きから宝飾品としての歴史は古く、宝石の女王としての地位を確保してきました。その輝きは金属のそれとは原理的には全く異にし、構造から生み出される光の干渉現象の為せる業です。興味あることはその技は、輝きと色の同時放出がこの現象の特徴です。 真珠と珊瑚、両者に共通するのは「赤い色」です。珊瑚のそれは色素由来のものです。真珠は構造由来です。海は本当に「赤い色」が好きなのが、このことから証明されます。