未来の真珠世界

第119回

大量生産、低品質、価格破壊。これが現在のグローバルに見た真珠の世界です。安定していたかつての世界に対し今は混沌(カオス)の世界です。では未来の秩序ある世界を想像してみましょう。当然ながら宝飾品としての真珠の世界です。 第一に価格、品質体系の中心軸が、現在のサイズからテリに転換して再構築されます。そのためにはテリ現象の全面解明とその客観的判定法の国際基準の確立が必須です。 第二に経年変化を防ぐ為の、販売前の品質チェック体制が再構築されます。そのためには加工工程や稜柱層分泌の実態把握に基づくチェック法の国際基準化の確立が必須です。 第三にメンテナンス体制が再構築されます。そのためには「真珠は手入れが不可欠な宝石」という従来型発想を脱皮して、日常的なお手入れの励行と同時に冠婚葬祭に合わせたクリーニングの習慣化が必須です。街の宝飾店の“クリーニング”業務は必然なのです。