第91回
三位一体(さんみいったい)という言葉があります。もともとはキリスト教由来の言葉だそうですが、「三つの要素が互いに結びついていて、本質においては一つであること」として使われています。
ここに一粒の真珠があるとします。この真珠を本質的に把握するためには、三つの分野から分析する必要があります。一つは本物であるかどうか、あるいは本物の色であるかという「鑑別」です。現在もっとも広く行われている分野です。二つは「グレーディング」の分野です。どの位良いものであるかを品質要素毎に評価する分野です。当社の「花珠鑑定」等がこれに該当します。三つは「欠陥チェック」という分野です。ひびやわれ等商品不適の欠陥を見出すことです。
以上の三分野からの本質把握は、正確に言えば現時点での本質把握です。5年、10年後の本質はと言うと、今一つ重要な分野があることになります。「手入れ」という分野です。生命活動の結晶である真珠の「四位一体」の所以です。