ボアンカレ予想

第74回

数学のノーベル賞と言われるフィールズ賞をロシアのグレゴリー・ペレルマン氏が辞退したことが話題になっています。フランスの天才アンリ・ボアンカレが提示した幾何学の難問であり、この100年間誰も解けず、100万ドルの賞金までついていたというのですから世界は驚いているのです。 ところがこの難問、素人には何が問題かすら全く分かりません。「3次元の閉じた多様体で『基本群が自明』なものは、3次元球面しかない」という予想です。 3次元球面という言葉が出ている以上、何か真珠に関係しないかと新聞の解説を繰り返し読んでみたのですが、私の理解を超えた世界でした。真珠の加工キズは、表層付近に出来る「うろこ」と呼ばれるものも、層の深いところに出来る「スポット」も共通して必ず円形になって現れます。なぜ円形なのか私にとって未だ「ボアンカレ予想」です。