「あの林は、あんまり緑青（ろくしょう）を盛り過ぎたのだ …また多少プウルキインの現象にもよるようだが…」（宮沢賢治「春と修羅」より） 賢治は、畑の向こうに広がる針葉樹林の青色を強調するために、科学者宮沢賢治らしく、プルキンエ現象で喩えました。この現象は、夕方になると人間の目は赤よりも青に感じやすくなる性質のことを言います。 ブラックパールの鑑別法のひとつに「サーチライト法」があります。非常に強い光を真珠にあてますと、本物の黒蝶真珠は青黒く見えますが、着色のそれは赤褐色に見えるので判別できるのです。 普通の明るさですと、着色も青黒く見えるのですが（夕方見る）、極端に明るい状態にしますと、着色の本質である赤みが見える（昼間見る）というプルキンエ現象の応用です。