ピーコック・グリーン

第83回

前号で真珠には反射と透過の干渉色があることを述べました。アコヤ真珠を例にすれば頭頂部付近に現れる光源像の周囲に見られるピンクやグリーンが透過の干渉色です(GIAではオーバートーンと言っていますが…)。 では反射の干渉色はどこで見られるのでしょうか。残念ながらアコヤ真珠では特殊な装置を使わない限り見ることはできません。ところが黒蝶真珠では見られるのです。「テリ」の良いこの真珠を白いクロスの上に置きますと、珠の周囲に緑色が見られます。この色が反射の干渉色です。 先輩たちの真珠への眼力の凄さには今更驚かされます。何故ならこの緑を「ピーコック・グリーン」と名付けているからです。孔雀の羽のように光っているグリーン。反射の干渉色は透過の干渉色とひとつ違うことは、輝きを伴った色であるということです。