第66回
国立科学博物館で開かれている「パール」展を見学しました(2005年)。アメリカの自然史博物館とフィールド博物館が企画した国際巡回展です。
いろいろな真珠が50万点も展示されているのは圧巻です。しかし重要なことはこの展覧会の英文タイトルである「A NATURAL HISTORY」にあります。
真珠は「神々の涙」であり、「信仰の証し」であり、「権力に貢がれ」、「貴賓を飾る宝飾品」となったという、この真珠はすべて天然真珠を指しているのです。
養殖真珠全盛の今日、身近な宝飾品となった真珠ですが、欧米の人たちの原点には常に天然真珠があるのだということを銘記すべきと思います。
さらにサブタイトルにある「その輝きのすべて」。輝きはLuster and Iridescenceのことであり、日本語の「テリ」が真珠の本質であることも痛感させられました。