第125回
新聞報道(中日新聞、2010年10月4日号)によりますと、真珠研究の先進地域である三重県では、高品質真珠の生産向上に向けて2つの研究を推進しているとのことです。ひとつは「スーパーアコヤガイ」を作る技術、2つは手術後の貝を静養させる「養生」技術の革新だそうです。前者は殻を閉じる力の強い貝を作ること、後者は陸上水槽で塩分や水温をコントロールする技術です。
私たちもこの都会で、細々ながら養殖技術の向上のための研究・実験を行っていますが、その私たちが昨年、多大なるショックで受け止めたのが「テリは遺伝する」という技術報道です(本稿116回)。現在その情報を追認する研究を行っている最中ですが、どうやら事実であることが明らかになりつつあります。高品質真珠を作る為の貝や養殖技術の改良、高品質の要になるテリをより強くする技術開発、いろいろな角度からのアプローチこそ、この大不況の中でも絶対に離してはいけないオリジネーター・日本の責務なのです。