第90回
真珠の世界もグローバル化の嵐が吹き荒れています。その中で日本のアコヤ真珠をどう守り発展させていくのかは私たちに課せられた当面の且つ最大の課題です。
そういう観点から見ると、この間の「花珠」ブームは一定の寄与はしているのかもしれませんが、この言葉だけが独り歩きしている感もあります。表面的・皮相的なブームを克服し、実態に沿ったものにしなければならないのです。それには「花珠」の言葉の奥にある、この真珠の持つ「テリ」の美しさを全面に出さねばならないと思います。ところが「テリ」の美しさというのも、ある意味で非常に具体性に欠ける抽象的表現なのです。
この問題の解決策は、「テリ」の美しさをどうビジュアル化し客観化しえるかのという一点にかかっていると思います。この真珠に現れる反射と透過の2つの干渉色、そしてその美しさをお客様にお見せする、これがベストな方法であるというのが私の提案です。