「夏こそ真珠」

第9回

真珠についての数ある誤解のひとつに「真珠は夏に弱い」があります。 真珠は酸に弱い→汗は酸性である→夏は汗をかく→故に真珠は夏に弱い、 という図式がいつの間にか定着してしまったのです。 真珠の主成分はカルシウムです。確かにカルシウムは酸で溶けます。 しかしこの場合の酸とは塩酸や硫酸などの強力な酸のことであって、こんな酸は私たちには無縁です。 むしろ真珠の持つたんぱく質に着目すべきです。 汗に対する一種のガード役として、真珠を守っているのがたんぱく質です。 1年を通し最も肌を出すこの季節こそ、逆に真珠を最大限に身につけるべきなのです。 世はまさに真珠多様化の時代です。色やかたちの様々なものが市場にあふれています。 自分の肌にマッチするものを選び、海や山を背景に思い切った演出をする、まさに夏こそ真珠の出番の季節です。 「着用後は拭く」この原則を忘れずに。