第1回
真珠は三つの色を持っています。
ナチュラル・ブルーに代表される黒みを帯びた色、これは真珠内部の異物が透けて見えるために起こります。真珠層を構成しているたんぱく質の色、ゴールドやブラックがこれに該当します。真珠層の構造から光が作り出す色、これが真珠を真珠にあらしめている有名なピンク色です。輝きを伴って現れます。長い間、乞われる度にセミナーや執筆の中でこのように話してきました。一種の科学的啓蒙と自分では位置付けてきたつもりです。しかし、今、反省しているのですが、私自身の中に既成概念にどっぷりと漬かったマンネリがあったのです。もう一つの色があったのです。それは真珠に下から光を当てると見える色です。黄緑色・暗赤色のオーロラのような舞う色です。もちろん総ての真珠に出るわけではありませんが、第四の色として存在しているのです。