真珠に現れる3つの色模様

第101回

真珠の色は大別すると3つに分かれます。こう書きますと異論続出すると思いますが、ここで言っている色とは干渉色のことを指します。真珠には色素由来の色と、光の干渉由来の色の2つが共存していますが、後者がRG系、G系、R系の3つに大分類されるのです。 RG系は中心から周辺に向かって青緑から赤紫に変わっていく色模様、G系は緑から赤紫へ、R系は赤から鶯色に変わる色模様です。アコヤ真珠を対象に、上半球に現れる透過の干渉色、下半球に現れる反射の干渉色を観察し、その結晶構造との関連を解き明かす研究をこれまで続けてきましたが、その結論がこの三大色模様です。 アコヤ真珠といろいろな面で対極にあるクロチョウ真珠の場合はどうなのか、ある日、このことに気がつきました。グリーン系、レッド系、ブルー系と通称されている3つの珠の干渉色模様は、アコヤ真珠と全く同じパターンでした。三大色模様は真珠に普遍なのです。