極小の養殖真珠たち

第62回

細厘珠(さいりんだま)という真珠をご存知ですか。中国産の淡水真珠がこれだけ市場にあふれている時代に、アコヤ貝を使って小さな真珠をわざわざ作るニーズも手間もないということで、今ではほとんど見かけませんが、2ミリ、3ミリのアコヤ産養殖真珠の呼称です。 1分(ぶ)=3.0ミリですから、直径3ミリから4.5ミリまでの真珠を厘珠(りんだま)、それ以下のサイズを細厘珠と呼んだそうです。尺貫法の名残ということでしょう。 今、私の手元に直径1.5ミリの細厘珠があります。核が1ミリ、まきが0.25ミリです。ピンクが輝く最強の「テリ」ですが、小さな突起は稜柱層で出来ています。 この極小の真珠の生成を考えてみます。1ミリの核の周りに真珠袋が出来る、その袋が真珠袋を形成する、その最中の何かの異常が稜柱層を作ってしまうということでしょう。これは、サイズに関係なく貝の体内では法則的生理活動が営まれていることの証です。