先天的か後天的か

第72回

「超テリ」の存在については既に述べました(第53回)。この真珠の発色メカニズムを研究する中で、目を射るようなこの真珠の輝きは、真珠層を構成するカルシウムの結晶層が他の真珠の半分程度の薄さに起因することを証明しました。 最後に残った疑問は、この薄さがなぜ出来るのかという成因にかかわることです。私は淡水真珠の作り方の特殊性によると考えています。核を使わず、外套膜切片(“ピース”と称しています)のみを外套膜に挿入するという養殖淡水真珠の特殊性です。薄い外套膜の中で真珠が出来るのですから、常に真珠は周囲から圧迫されているという、この環境が薄い結晶層を作るのではないかという考えです。 霞ヶ浦で一人淡水真珠を作り続けているYさんは先天説に立っています。イケチョウガイの貝殻先端部の鋭い輝きに着目し、その外套膜切片が薄い結晶層を作るという説です。