メロメロパール

第60回

「メロメロパール」の鑑別依頼を受けました。実物を見るのは初めてです。 しかし、きちっと鑑別書を発行しなければなりません。そこで思い出したのが、当研究所の月刊誌「マルガリータ」で山口遼氏が、「THE PEARL AND THE DRAGON」という書物がこの真珠を詳細に記述しているということです。 比重から始まって、分光スペクトル、ラマンスペクトル等々詳細なデータが掲載されていました。ということで鑑別は出来ました。 この経験を通じて感じたことは、こと天然真珠に対する欧米の執念というものです。現代の最新分析機器を駆使して物性を把握しているのです。次に「メロメロ」という言葉は、この真珠を作る貝の学名「Melo melo(LIGHTFOOT,1786)」に由来しています。さらにコンクパール同様「フレーム模様」があることです。