アサリから真珠

第44回

某テレビ局の取材を受けました。なぜアサリから真珠がとれるのかという質問です。 すべての貝は、理論的には真珠を作る能力を持っていると答えました。 貝の身の一番外側にあるビラビラの組織を外套膜と言いますが、この組織が貝殻を作る役目をしているのですが、幾つかの偶然が重なって、体の中に貝殻を作ってしまったのが、実は真珠なのです。貝殻を作る貝はすべて、潜在的に真珠を作る能力がある所以です。 しかしその偶然は、数万の貝から1個でるかでないかの確率です、1万や2万のアサリを食べたとしても絶対に真珠が出るという保証はありません。 さてそのあさりの真珠ですが。厳密に言うと真珠とは言いません。真珠様物質と呼んでいます、キラッと光るあの真珠光沢を持っている物質を真珠とするという国際的定義があるからです。しかしその偶然性から考え、一生大切にすべき「お守り」的存在です