「カルシウム」

第36回

真珠の主成分はカルシウムです。 厳密に言うと90%以上が炭酸カルシウム、残りがたんぱく質や水分、その他になります。 昔から真珠の粉末が薬として使われているのも、あるいは真珠が酸に弱いのも、このカルシウムの性質によるものです。 ところが、成分面から離れて、構造面からこのカルシウムとたんぱく質の関係を見ると、僅少のたんぱく質が主役であるカルシウム以上に重要な役割をしていることが分かります。 まずカルシウムは極小の結晶として存在します。その極小の程度はミクロン以下のレベルです。計算によると7ミリの直径の真珠は2200億個の結晶が集まって出来ています。 さらにこれらの結晶は1個1個がたんぱく質の膜で包まれています。まるでキャラメルのように。 さらにこの結晶は霰石(あられいし)という特殊な形態をしています。炭酸カルシウムは方解石(ほうかいせき)という形態を採るのが一般的ですから、極めて珍しい例です。最近の科学は、これもたんぱく質の指示で起きることを証明しました。