真珠のなめしは?の発見

第179回

人類史上最大の発明のひとつに「なめし(鞣)」があると私は考えています。なめしとは一言で言えば皮を革にすることです。動物の毛皮に、①耐熱性を与え、②微生物への抵抗性を与え、③柔軟性を与えるための処置を「なめし」と呼んでいます。その方法には鉱物鞣剤、植物タンニン鞣剤、アルデヒド鞣剤等々があります。

真珠の美しさの理由のひとつに、それが貝と海が作った自然物であることが挙げられます。同時に自然物であるが故の弱点もあります。汗や酸に弱い等が典型です。この弱点をどう克服するかが当面の課題です。

真珠を強くするための「なめし」のような方法はないだろうか。いろいろ考えました。最近ひょっとしたらという切り口が見えてきました。それは真珠をアルコールに漬けるとテリや艶が良くなるのです。真珠層+アルコール+?、?の発見こそ真珠のなめしです。

JOW-Japan 新報 2015年7月掲載