テリとまき

第117回

「まき」というのは、核の上にどの位真珠層が巻いているか、その厚さを言います。「テリ」というのは、その強弱は、その真珠層が、例えて言えばどの位きめが細かくできているかで決まります。両者を混同してはいけません。日頃から私が説明している内容です。 この説明は基本的には正しいのですが、最近になって両者の相互関係ということから、「核からの反射光」という存在に気が付きました。真珠に入射した光は、テリに関連した働きから言うと2通りが考えられます。ひとつは真珠層表層で起こす干渉です。ふたつは核にぶつかって出てくる反射光です。前者は緑や赤紫の干渉色として私たちの目に飛び込んできます。後者はまっ白い光として目に入ります。真珠層は0.3ミリより薄くなると、核からの反射光が急増します。ということは、干渉が生み出した美しい緑や赤紫が白い光で消されることを意味します。厚まきはテリの美しさを守る役割をも果たしているのです。