我々は何処から来たのか

第96回

フランスの画家ポール・ゴーギャンが1897年に描いた作品「我々は何処から来たのか、我々は何者か、我々は何処へ行くのか」を見る機会がありました。感動し、さらに啓発されて、「我々」を「養殖真珠」に置き換え、養殖真珠発明100年を振り返った、私なりの総括書を業界に発表しました。 その中で強調したのは次の2点です。ひとつは天然真珠で培われた神秘なイメージを、正しく継承する戦略無しに、大量生産、大量販売の道を走り続けたということです。いまひとつは、グレーディング・システムを作れる人材と実績と能力を持っている国は世界の中で日本だけだということです。というのは自国の海で作ったものを、国際的に通用する価格体系を持った商品にするため、徹底した品質分析を行ってきたからです。色、テリ、まき。キズ、かたちの品質要素を瞬時に判別しえる多数の人材を育ててきたのです。