第82回
米国宝石学会(GIA)では真珠の色を3つの要素、地色、オーバートーン、オリエントで説明しています。「何層かのアクリル樹脂でコーティングされたピンポン球を想像するとよい。アクリル樹脂を通してまっすぐ球を見ると、球は今まで通りホワイトに見える。横の方から見ると、多くのコーティングの層を通して見ることになるので、これまでよりもアクリル樹脂の色が強く見える。これが真珠のオーバートーンに相当するものである。」
この説明が何度読んでも私には理解不能なのです。一方現象面からは「表面からの反射光の付近、その周囲に現れる」と言っていますから、まさしくこれは干渉色のことです。ただGIAは真珠層の干渉色については「オリエント」で説明していますから、オーバートーンの説明に使うわけにはいかないのです。
球体である真珠には、反射と透過の干渉色があり、後者がオーバートーンに該当します。