ギラッ

第57回

真珠の業界で今、話題のひとつになっているのが「シャコ核問題」です。 これは従来の核(米国のミシシッピー河に生息する“ドブガイ”の貝殻から作られる)に代わって海産のシャコガイから作られた核が一部の真珠に使われているという話題です。 何が問題かと言いますと、孔あけの際、硬くて真珠にひびが入るといった物性に由来する問題もありますし、シャコガイの使用はワシントン条約に違反、という問題もあります。 ふたつの核は外観はそっくりです。そこで鑑別法を見つけようということになりました。 紫外線下の蛍光にも違いはあります。比重も若干違います。 強い光をあて、内部を子細に観察しますと出て来るすじ模様に、明瞭な違いがあります。 しかし最大の違いは構造にあります。シャコガイは交差板構造、ドブガイは真珠と同じ真珠層構造ですから「テリ」を持ちます。それを「ギラッ」と呼んでいますが。