「模造真珠」

第31回

本物の真珠とイミテーションの見分け方の中で、もっとも簡単なのは、珠どうしをこすり合わせてみることです。 本物どうしは、わずかにひっかかりを感じるのに対し、イミテーションはつるっとすべります。もっとも説得的で、幼児からお年寄りまで納得してもらえます。 これは本物の表面がカルシウムなのに対し、イミテーションは一種のプラスティックの塗料から出来ている、物理的性質の違いによるものです。 先日、某テレビ局の方が見えて、両者の鑑別法を放映したいという話がありました。ところがこのこすり合わせ法ではテレビにはならないというのです。要するに「感じる」でなく、「目に見える」必要があるというのです。 「冷蔵庫の冷凍室に3分入れて出してください。本物はくもるのに対し、イミテーションはくもりません」。両者の熱伝導の違いに着目した方法を提案しました。